「隼人の家」薩摩じねん派 パッシブひらや《カスタムメイド》

最近、竣工した「牟礼岡の家」パッシブデザイン《プロトタイプ》を紹介して来ましたが、今回は、平屋タイプの《カスタムメイド》を紹介します。

玄関アプローチから車庫を透かして奥に見える、北側のウッドデッキ、中庭
南側の庭、12年前竣工した住宅ですが、そのころからのスダレフレームです。

最近、北側に庭を造ることは少なくなっていますが、歴史的な名庭の多くは、南からの光を受け、陽を背に見る形です。

リビングは、この地域の北西からの卓越風に沿って、北側の中庭から南側のウッドデッキ、庭へと心地よい風が抜けていきます。

中央のリビング・キッチン・ダイニングを手前の和室と奥の主寝室で挟む方形に、南側に子供部屋、北側に水廻りを配置した十字型の平面。玄関脇に、その十字型と一体となった車庫を設けました。

基本設計時に作った検討模型、北東からの鳥瞰です。

パッシブデザインの教科書的には、複雑な形状で、外壁面積が多く、熱の収支を考えると、単位面積当たりの断熱性能が同じ場合、熱損失の大きな平面です。

ただ、敷地面積200坪の敷地に教科書通り、外壁面積を小さくするために、方形の総2階。《プロトタイプ》で提案しているコストパフォーマンスの良い家を、ベストの対応と考えませんでした。

熱収支の対応は、単位面積当たりの断熱性能を上げれば良いんです。もちろん、コストは掛かります。仕様を上げ、コストを掛けた、このような提案もパッシブデザインです。

200坪の土地を購入して家づくり検討を進めているクライアント様へは、一つの選択肢《プロトタイプ》の提案では、期待に応えているとは言えない。そう思いました。

《プロトタイプ》と《カスタムメイド》。両方ともに、薩摩じねん派のパッシブデザインです。

薩摩じねん派のパッシブデザイン《カスタムメイド》 構造・断熱の基本性能、外構植栽、照明計画、ハニカム断熱スクリーン等のカーテン計画、すべて、大切な要素だと考えます。

全てにこだわると、建物工事、外構工事、30坪前後の家で、3000万を超える工事になります。あまり好きな表現ではありませんが、坪単価という言い方をすると、消費税まで入れ、坪100万を超える住宅になります。

このような家を作ってきました。このレベルの住宅を求める人、この予算を出せる人もいます。

少し、御幣のある言い方ですが、これまで薩摩じねん派が作ってきた住宅を、贅沢な仕様だと、考えていません。基本的な仕様であって、ライフサイクル、ランニングコストまで考えると、結果的にコストパフォーマンスの高い家だと考えています。

ただ、鹿児島の一般的な人の住宅購入金額としては、少し高額です。

そこで考えたのが、パッシブデザイン《プロトタイプ》です。

構造・断熱の基本性能については《カスタムメイド》で考えてきた性能と変わりません。長期優良住宅仕様を基本と考えます。徹底してコストにこだわり、平面計画・材料の使い方を考えました。

パッシブデザインのコンセプトも《プロトタイプ》と《カスタムメイド》、同じです。

断熱性能を優先して考えると、窓の小さい、開放感のない家になりがちです。この開放感、外部空間との連続性を、パッシブデザインの重要な要素だと考えています。

この開放感、開放・遮断の仕方を考えること。その工夫を楽しむ生活。ここが重要なテーマです。

薩摩じねん派の考えるパッシブデザインのコンセプト・仕様は《プロトタイプ》と《カスタムメイド》、 まったく同じです。

「家あそび」の舞台としての家づくり

先日竣工した「牟礼岡の家」パッシブスタンダード《プロトタイプ 3 x 5 》です。

blog 牟礼岡の家 完成見学会 多くの方々の参加に感謝

「牟礼岡の家」は、現在、クライアント様が住まわれている住宅ですが、ご好意により、しばらくの間、モデルハウス的なスペースとして要予約で公開して頂けます。

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