SDGs本 実家「セルフ施工」古民家リノベ取材

「セルフ施工」リノベ 。薩摩じねん派が、経営理念として取り組んでいる「SDGs」の考え方をベースにしたリフォーム仕様のひとつです。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が掲げる

「地球上の誰一人として取り残さない」という誓い。

最初の1,2,3に掲げられる、もっとも根本的なコンセプトです。

世界の貧困層を見捨てない、というだけの意味を示すものではなく、世界の、社会の、あらゆる層が問題の解決に参加し、地球の未来に貢献することを求めるものでもあります。

そのコンセプト仕様の実例として、私の実家を取材して頂きました。

「性能の改善が実感できる、誰でも実現できる、手の届く低コストのリノベーション」がテーマです。

「暖かくなったね。」「クーラーの効きが良い。」「寒いところが無くなった。」

このように実感できるリノベーションを行うためには、断熱性能を上げることが必須ですが、その中でも開口部の断熱を上げるための、サッシの交換。壁を剥がしての断熱材の充填はコストの掛かる工事です。

この工事の予算を抑えるために、サッシの交換を行わずに性能を上げています。中空ポリカをシングルガラスに取り付け、ペアガラス同等の性能を確保しています。枠の交換を行っていませんから、サッシ枠は結露します。そこは人の手で対応します。結露のふき取りは必要です。

壁を壊さないで、内部に断熱を付加する形で、断熱性能をアップしました。部屋が5センチほど狭くなりますが、断熱性能は確保できます。

もう一つ、断熱性能を上げる部屋を限定して、施工面積を小さくしています。

施工面積を小さくすることが、工事費を抑えるもっとも効率的な方法です。

今回の工事は、私の両親、高齢者が生活する家のリノベーションです。

これまで、高齢の両親は、通常私が行っている1000万以上のコストを掛ける改修計画を認めてくれませんでした。バリアフリーリフォームとヒートショック・熱中症予防の断熱リフォームを行ったわけですが、通常の半分以下のコストの工事となりました。

施工範囲を両親の生活するリビング・ダイニング・キッチン、寝室、浴室、洗面、トイレ、洗面と一体的なクローゼットスペースまでとしました。仏壇・床の間のある続き間は入っていません。断熱を行う範囲を区画して、改修面積を小さくすることで、コストを抑えています。

上写真の手前のリビングに隣接する畳の続き間と手前のリビングを断熱内窓とその上部の垂れ壁の断熱で断熱区画しました。

鹿児島に多く残る「田の字」田舎家の延び延びとした連続性は残しながら、気密性能A3、ペアガラスを使った断熱内窓で断熱することで、しっかりと施工範囲の区画ができています。

徹底したバリアフリー工事も行いました。車椅子利用になっても一人で使えるトイレ、洗面、浴室は、「吹上永吉の古民家」、実家隣の「伊敷の古民家」と同じ仕様で施工しました。

施工時の様子や平面計画等は前にご紹介した下のブログを参照してください。

私の実家「セルフ施工」古民家リノベ現況