蒲生・出水の古民家改修計画
最近、古民家改修のご相談を受ける事が多い、薩摩じねん派 村田です。
現在、蒲生と出水で古民家改修の検討を進めています。
蒲生の物件は、格天井の伝統的な様式で建てられた「古民家」と呼びたくなる住宅ですが、築年数はまだ30数年。
中廊下式の間取りは、採光・風通しの確保されていない場所が多くあり,ご両親のお使いだった荷物が残り、この荷物の整理と採光・風通しの確保がテーマになります。
出水の物件は、築年数は不明ですが、出水麓地区、伝統的建造物群保存地区内の特定建築に指定されている住宅で、外観形状は基本的に変更できません。
ただ、薩摩麓の古民家に詳しい人が見れば、気付くと思いますが、大屋根を囲む下屋部分、現在台所や個室として使われている部分は、もともと半間の縁が廻っていた部分を増築した形状だと直ぐ解ります。
また、半間の縁部分を増築したり、本来は「田の字」の間取りだった部分に、廊下を設けた事で、風通しが悪く、暗い家になっています。
この後年増築された部分や廊下を撤去、麓地区本来の間取りに戻して、明るく、気持ちよい風の通る家にするコンセプトを提案しています。
下の2枚の写真は、そのような考え方で改修した蒲生の古民家と吹上の古民家です。
最近、この2件の古民家をそのコンセプトを理解、感じて頂くために良くご案内しています。
2件とも「涼しい風が通り、今年の夏、昼間クーラーを使う事が無かった。」とおっしゃいます。また、「冬も朝起きた時の室温が概ね18℃程度で、寒いと感じない。」とのコメントに、満足して生活していらっしゃる様子を感じていただけています。
ただ、改修計画ではいつも起こる事ですが、現状の形状を変更する事に、年配の方々のご理解を頂けないことが多いんです。また、荷物の整理もとてもエネルギーの必要な作業です。
じっくりとお気持ちをお聞きしながら、ご納得いただける計画をまとめて行きたいと思います。