地域のコミュニティとつながる「風の道」に建つ「私の実家」断熱リフォーム

週末行った見学会の様子です。今回、ご案内した鹿児島市伊敷にある私、薩摩じねん派 村田 の実家です。

私の子供の頃は魚の泳ぐ池がでしたが、今は玉石を入れた池になっています。

この庭の手入れは、松、一ッ葉の手入れも含め父親がやってきましたが、さすがに90を超えて、次の手入れからは庭師に頼もうと考えています。

今回の薩摩じねん派「古民家リノベ」の見学会では、道を挟んで並ぶ2軒の住宅、断熱改修・パッシブデザインの改修を徹底して行った「隣のみやこさんの古民家改修」とコストに徹底してこだわったセルフ施工仕様の「私の両親の家」。実家の方は、3月末から工事に入る予定で、施工前の現況を見て頂きながら、改修計画の考え方、コンセプトをお話しさせて頂きました。

両方の家とも、前々回のブログで書いた「風の道」に立つ住宅で、その外部空間との連続性をデザインすることがテーマでした。

私の母が入院中で、毎日のように、私と妹が朝夕の食事の準備等、顔を見せながらの生活ですが、90歳の父親は一人で暮らしています。時々、周りの「おばちゃん」達から、おかずの差し入れが届いていたりします。

今回の見学会で、実家周辺の佇まいの中で、ここで目指したい生活スタイルを説明をしながら改めて、考えたことです。

昨日の写真を見て頂くと多少感じて頂けると思います。この軒下で耳を澄ませば、裏山から流れてくる小川のせせらぎが聞こえます。静かな環境なので、少し大きな声を出せば、お隣と会話もできます。都市に立つ住宅ではできない、その豊かな外部空間とのつながりを大切にした家の佇まいを作る。このコンセプトを再確認しました。

再度、掲載します。20年前、南日本新聞に書いたコラムです。

断熱性能を重視した家づくりが多い中、この「風の道」を実現できる環境が鹿児島にはまだ多く残っていると思います。どこでも、可能な家づくりではないことも理解しています。

だからこそ、新築では土地選びも大切な要素です。土地探しのお手伝いもしています。

納得できる家を持つこと、作ることは誰にもできます。ただ、業者に任せきりの家づくりでは、実現できません。

自分の考えている家づくり、生活スタイルの実現に向けて、一緒に考えてみませんか。新築、リフォームのこと、土地探しについても、お気軽に声をかけてください。

下記:3/21のブログです。

今日3/21 22 「伊敷古民家パッシブりのべ」の見学会を行いますが、その隣で進めている「私の実家 セルフ施工仕様の断熱リフォーム」をご紹介します。

興味のある方には、今日明日、施工前の状況と工事のコンセプトをご説明します。お気軽に声をかけてください。

今回検討を進めている、「やろうと思えばセルフ(自力)で施工可能なローテク、エコノミー」な水回り、断熱改修です。

この工事の切っ掛けは、母が腰の骨、肋骨を折る怪我をして、車椅子生活になる可能性があり、現状の浴室・トイレでは、二人で暮らす父母の自立した生活が厳しくなるということです。母は、4月末にリハビリを終え退院してきます。それまでに、工事を竣工しなければなりません。。

「セルフ施工」といっても、私自身、会社で勤務しています。多少、真似事はしますが、今回は4月に完成するために、メインの作業はプロに頼みます。

実は、数年前スマートウェルネスの補助事業を利用して、実家の断熱改修を計画しました。実際に事業に参加して、データロガーを設置して、2週間、現状の温湿度測定と両親の血圧体温の変化を測定しました。今の時代に則した計画と考え、通常行っている薩摩じねん派の新築、リノベーションと同じ仕様で検討しその内容を両親にも話ました。

性能まで改善するリノベーションを行うと少なくとも1,500万程度の予算がかかります。

90歳を超えた父親の反応は、「何を考えちょっと。私が後何年、使っち思とよ。そのお金の使う方は有り得ん。」計画を進めることが出来ませんでした。

そのような経緯もあり、工事の仕様は、ローテク・エコノミーを第一に考え、両親に納得できる内容で進めます。

施工範囲は、まず、コンパクトな部分断熱を考えます。プランの「田の字」左半分。寝室・リビングとクローゼットを含む水回り。夜中も自立して生活できるスペースを考えます。

90歳、80台の両親が、車椅子生活で、夜中一人でトイレに行ける。風呂・シャワーが一人で使える環境を作ります。この生活は、「吹上永吉の古民家」で実現している環境です。

コストも大事なテーマです。既存の壁は壊さず、内側から断熱ボードを付加し、仕上げもセルフ施工可能な仕様で進めます。サッシは、現在のシングルアルミサッシの取り換えは行いません。ガラスに中空ポリカを付加してペアガラス同等の断熱性能にします。古いサッシの気密を確保するための調整、パッキン等の付加をします。床は、タタミ厚に合わせて断熱ボード、無垢スギ板仕上げ。天井は、従来のGWです。今回は、基本的にプロの作業になりますが、部分的には、私自身も作業に参加してみようと考えています。

浴室入口廻りの光が入らない部分は、瓦を一部ガラス瓦。天井面で、中間に空気層を設けた、中空ポリカ2重張りの断熱トップライトを計画します。

第二段階の計画として、通常のベッドでの生活が厳しくなって、両親とも電動ベッド+車椅子になる状況が考えられます。

「田の字」右側、6畳二間にそれぞれベッドを置いての生活、介護になると考えています。現在、法事等で使っている、畳の続き間をすべて杉の無垢板に変更します。

断熱ライン(範囲)は、縁側の内側、障子側で考えます。ここに、断熱内窓を設置します。

縁側外側より断熱・気密を確保しやすいラインだと考えます。障子上の壁に断熱ボードを付加して、セルフで施工できる左官系の材料で仕上げます。

障子上部垂れ壁の内側漆喰仕上げを残すことで、蓄熱性能が期待できます。

次の段階として、普通の車椅子を使えないレベルも来ると考えています。

最終的な介護レベルですが、この縁側から外部へ繋がるウッドデッキを設け、ベッド或いはストレッチャーを押して外へ出ることを考えています。南側の庭には池があり、梅の木も立っています。

この庭は、植栽については「神の手」を持つ両親二人が育てた花木があります。

鉢の並べられたウッドデッキへは、近所の方も外部からアプローチ出来ます。一緒に、お茶が飲めればと考えています。

台所については、料理の好きな母ですが、どこまで回復するか現在見えません。また、どこまで手を伸ばせるのか、どのような水栓であれば使えるのか。解らない状況です。

母にとって、キッチンに立つ、父に料理を作るというのも、元気の元です。

退院後、体の状況を確認しながら、実際に使えるキッチンに改修します。

今回考えている改修が、どの程度の予算になって、どのレベルの改修まで両親が納得するのか。これからの調整です。

「田の字」左半分。寝室・リビングとクローゼットを含む水回り。この範囲だけは工事しなければ、自立した両親の生活はできません。

大工、材料の調整も行いました。3/30から工事を始めます。

「伊敷古民家パッシブりのべ」と「私の実家」は並んで建っています。希望される方には、工事前の現状、工事中の現場も含め両方の家をご案内します。

声をかけてください。 薩摩じねん派 村田 でした。