カヤックフィッシングは「パッシブデザイン」!
2回連続で、鹿児島の風について書きましたが、風に妙に細かいのは、仕事だけの話ではなく、今一番の楽しみカヤックフィッシングと関係があります。そのために、毎日のように鹿児島の気象情報、風情報を見ています。
FBを見ている方には、じねんもくの釣りの様子は伝わっていると思いますが、最近、ブログに釣りの話題を書いていなかったので、カヤックフィッシングについて少し紹介しようと思います。写真は、じねんもくがいつも使っている釣り用にカスタマイズしたカヤックです。
この釣り、結構パッシブ的な釣りなんです。そのあたりを今回書いてみようと思います。
釣りですから汐の情報はもちろんですが、風情報を把握して望まないと釣りになりません。このカヤックは一般的にイメージするカヤックと少し異なります。カヤックに乗りながら釣りをしていると言うと、「不安定なカヤックで良く釣りができるね。大きな魚かかったら転覆するんじゃない。」と言われます。
通常の舟の中に腰までスッポリ入り込むシットインタイプのカヤックは結構不安定ですが、釣りに使うカヤックは、種類が違います。舟自体に浮力のあるボードの上に座るシットオンタイプのカヤックを使うので、大きなサーフボードの上に載っているようなものです。多少波があっても、転覆しても決して沈むコトはありません。安定感もあって、積載荷重も200キロ以上あります。ただ、風に流される弱点があります。ゴムボートほど流れませんが、10mを超える風が吹くとそれに向かって進むのは、不可能ではありませんが、非常に疲れます。基本的にアンカーを落として固定するような釣りはしないので、アッと言う間にポイントを流されて釣りになりません。
風がほどほどの時は、海中に汐の流れを利用するパラシュート型の小さなシーアンカーを落として、風とのバランスで釣りポイントをキープしたり移動したりすることもあります。
最初、ここまで、この釣りに嵌るとは思っていなかったんですが、始めた時のビギナーズラックが驚異的だったんです。
以前から、近くの海水浴場の沖で、ゴムボートを利用したサビキ釣りでアジなどの小魚、年に1匹、30センチ程度のタイを釣れば良いような釣りをしていました。ところがです。カヤックを利用して、仕掛けもサビキからタイラバへ変えて臨んだ、一回目の釣りで、沖へ出て1投目で20センチほどのタイがかかり、しばらくそのポイントで粘っていると、今までに経験したことのない引きが。上がってくるタイを見てビックリです。60センチオーバーの立派なマダイでした。
そして、翌週も。甥っ子を連れて、同じポイントへ出たんですが、今回も60センチのマダイが。磯海水浴場の沖でです。釣り好きの人は理解できると思いますが、これじゃ嵌りますよね。
このポイントは、以前からゴムボートでは何度も釣りに出たことのある場所でアジ、イカ、タコなどが釣れるポイントだというコトは、知っていましたが、こんなタイがいるとは、しかも2週連続でです。今、考えれば、アジ、イワシが沢山入り込んでいる時期でしたから、そのベイトを追ってタイが入ってきていたんですね。しかし、その後、ここで、このようなタイを釣るコトは出来ていません。このスタイルの釣りをする人がいなかったんで、釣れたタイだったんでしょう。釣り船は時々入ってくるポイントですが、やはり、海水浴場のすぐ脇、水深20m程度の浅いポイントでは、用心深いタイはエンジン音に警戒したと思います。静かに、音も立てずに仕掛けを下す、この釣りには、警戒心を解いたんだと思います。まさに、ビギナーズラックでした。
このあたりで、アジ釣りをしたことがある人は知っていると思いますが、汐の状況で、流れの変化が激しいんです。情報をしっかり把握していないと、大変な目にあいます。時には、出たところに帰れない場合もあります。川のようにピチャピチャと音を立てる早い流れに出会うコトがあるんです。
その流れの情報が海上保安庁のHPにアップされています。
本日、午後3時の流れです。お昼が干潮、夕方5時半ごろが満潮。錦江湾へ汐が流れ込んでくる時間帯で、桜島と鹿児島市の間が狭くなっているので、そこで潮の流れが速くなります。このポイントは、幅だけでなく、急激に浅くなるポイントなので、非常に流れが速く、川のように音を立てて流れる時間帯があるんです。
風の方向は、今の季節北西から南東へ吹いていますから、海中のシーアンカーと風の流れを利用しながら移動すると、エンジンを使わないカヤックでの釣りも楽にできるんです。動力を使わないパッシブ的な釣りです。
お魚さんへストレスを加えないので、釣果にも驚きます。
汐の流れや風情報以外にも、波や海上の風情報、海水温の情報も利用して、カヤックを下す場所やポイントを決めます。
海水温の情報は毎日前日の測定データが公表されます。今、一年で一番水温が下がっている時期ですが、黒潮の流れのコースの変化で、南薩の釣りポイントの水温は変化します。その流れの変化の傾向も日々眺めていると見えてきて、この温水データを眺めながら海の中をを想像してニヤケたオヤジになったりします。波情報、海上の風情報も時間ごとの情報があるので、その日のポイントを決めるのに役立ちます。
カヤックフィッシングを始めたばかりの頃は、湾内が多かったんですが、最近は、坊津、野間池の南薩方面や串木野羽島が多いんです。やはり、黒潮の流れに乗ってくる魚が多く、しかも、魚種が豊かです。いろんな魚が釣れます。
同じ外海側でも、坊津周辺と串木野周辺では海水温が2℃程度違う時があります。やはり、冬場は、坊津・野間池方面が釣れるのは、そのためだと思います。
獲物は、魚だけではありません。波が穏やかでないと近づけませんが、通常、人が近づけない岩場には、美味しい食材がぎっしりと張り付いています。
じねんもくの使っているカヤックはオレンジの一人乗り艇ともう一つグリーンの2人乗り艇があります。
時々、妻も一緒に出る時がありますが、陸路ではアクセスしにくい静かな浜でのランチはまさにプライベートビーチ、最高です。釣った魚や近くの岩場で採取した食材をラフにさばいて鍋に投げ入れ、流木の薪でボイル。グリーンカレーにして食べますが、家で食べる同じカレーとは全く味が違います。
これから、だんだん水温も上がり、タイのノッコミの季節。今年は、どんなお魚さんに出会えるか、期待しながら、海水温データの変化、風データを眺め、ニヤニヤしている最近のじねんもくです。