ダブルスキンシステム 完成

永年イメージしていた住宅用のダブルスキンシステムが実現して、嬉しくてたまらない、薩摩じねん派 村田です。

ダブルスキンステムとは、外側のサッシ(アウタースキン)と内側のサッシ(インナースキン)の間に、ブラインドを設置し、ダブルスキンの間の空気(キャピティー)内を熱が乱反射しながら再放熱することで、キャピティー内の空気が暖められ、その浮力によって、キャピティー上部の隙間から廃熱される、日射遮へい効果の大きな構造です。

松陽台モデルハウスの2階西側の窓に設置しました。夏の西日が強く、窓面に電気ストーブをぶら下げているのと同等の熱が入っていました。

その対応として「窓の遮熱(日除け)は、外部で行う。」これが正解です。

(参照)自立循環型住宅への設計ガイドライン

室外の設置が室内の設置の3倍の効果があります。しかし、外部に遮へい部材を取り付けられません。

窓の外にスダレが付けられれば、最も簡単な方法です。ここでは、風の強い日等の取り付け・取り外しが容易に出来ません。

外付けの電動ブラインドをつける方法もありますが、コストがかかります。今回のダブルスキンシステムは低コストで出来ます。

断熱仕様の内窓と室内用ブラインドで対応すれば、コストも1/4~1/5程度です。しかも、冬の断熱性能もアップします。

このシステムを初めて見たのは、2009年1月。ドイツ ウルムの中央図書館です。設計は、ゴット フリート ベーム。好きな建築家の一人です。近くに、リチャードマイヤーの美術館もありますが、温熱環境の対応のレベルに差があって、とても興味深かったんです。この時、「ダブルスキン、いつかやってみたい」と思いました。

最近の日本の建築では、YKK AP R&Dセンターがあります。

西側の小さな窓、ひとつ。最初に見たウルムの図書館と比べると笑ってしまいますが、小さな夢が叶いました。

既存外側窓:アルミ樹脂複合サッシ、遮熱lowEペアガラス 突き出し窓

ブラインド:普通の住宅用アルミブラインド35

内窓:遮熱lowEペアガラス(アルゴンガス入り)樹脂内窓

検討が必要なのは、夏のキゃピティ(窓間)の廃熱です。キャピティが温室状態になるので、輻射熱を感じることになるのではと心配します。ダブルスキンの考え方は、ブラインド、内部空気が暑くなることで、浮力・上昇気流が生まれ、その動きに乗って廃熱が行われます。

今回の外部窓は突き出し窓で、下部は開いていますが、上部が閉じています。この断面で、どの程度廃熱できるか。窓の開口の仕方で変わると思うのですが、外気温、窓間の温度、室温を、データロガーを設置して、測定・検討しています。

この検討内容は、9/11、鹿児島で開催される「Forward to 1985 energy life 全国省エネミーティング」と、9/12の「1985地域アドバイサー拠点総会」で紹介しようと思います。

1985全国省エネミーティング in 鹿児島