かつての馬屋を現代の馬屋 カーポートにするために

NHKのひるブラで、「新旧融合《ネオ武家屋敷》」と紹介された「蒲生の武家屋敷、ゼロエネリノベ」。

かつての馬屋を現代の馬屋、カーポートとして利用しています。現状軸組のままでは、柱の間隔の問題で、車を2台止めることが出来ませんでした。

そこで行ったのが、軸組を固めてクレーンで吊っての回転移動。

古民家の骨太のフレームが空を飛びました。

このリノベの食器収納は、奥様の実家から譲り受けた箪笥が利用されています。

箱を作り替え、引出金具を付加することで、食器類の加重に耐えるように補強しました。(引出金具の写真は、同じ補強をした伊敷古民家リノベの箪笥です。)

システムキッチンは、ご主人の祖母様が使っていたものを利用しています。高さを上げ、扉廻りのパネル類を木で作り直しました。

ご家族が住み続けて来た古民家を舞台に、時をかさね受け継いだ記憶を大切にした暮らし。その思いにこたえる家づくりです。

築200年を超える家です。100年前の改修工事についての古文書も残っていて、さらに100年前、使用材木に文政10年の記載アリとあります。

建物として歴史のある建物ですが、現在の技術で断熱性能を確保したゼロエネ住宅としてのリノベーションを行いました。

選択した断熱材は、セルロースファイバー。室内側も透湿シートを使い、防湿シートを設置しないことで、空気の流れを妨げることなく、断熱性能を確保し、かつ、結露しない材料です。また、建物のモデュール(基本寸法)が現在のものと異なることへの対応もしやすい材料です。

さらに、通りから見えない所に、太陽光、太陽熱のダブルソーラーの給湯システムも設置してあります。

今回、200年目の改修工事を行ったわけですが、さらに100年後の改修工事につながり、蒲生の町並みの一部として、時を重ね続けて欲しいと思います。

次回 blog 予告 < シロアリは怖くない > youtube動画

今回紹介した蒲生の蔵で出てきたシロアリです。

蒲生の家 01 ( パッシブりのべ )

薩摩じねん派 こんな家をつくっています。