リフォーム・古民家再生 断熱水準の確保は基本です。

寒くなってきましたね。

先日からヒートテックを使い始めました。薩摩じねん派 村田です。

蒲生の古民家改修、屋根断熱セルロースファイバーの下地作り

薩摩じねん派は、 何かを入れ替える、張り替える、塗り替えるといった 「部品交換型」リフォームではない、「本質改善型」リフォームに取り組んでいます。

古民家再生と言うと、寒い家に薪ストーブで暖を取るというようなイメージがありますが、新築と同じように、リフォーム・古民家再生でも、断熱水準、建築性能の確保は大切です。

上の写真は、築250年を超える「蒲生の古民家」リフォームの時、垂木を通気層、その下に、約20㎝のセルロースファイバー層を施工する時の写真です。

薩摩じねん派では、古民家改修の断熱材は、もっとも大切にしたい軸組木材の呼吸を妨げることのない様、セルロースファイバーを採用しています。

薩摩じねん派は コアリノベーション研究会(主宰:野池政宏氏)の会員です。

コアリノベーション研究会Homepageをご覧いただけると、薩摩じねん派が進めるコアリノベーション「本質改善型」リフォームのコンセプトが分かります。

今回のブログでは、断熱水準と住宅の温熱環境について、断熱水準が低いことで、どんなことが起こっているのか。少し、書いてみようと思います。

細かな話ですが、難しい話ではありません。安全で快適に長く住まうために本気でリフォームするための、 基本的な知識です。

突然ですが、現在、あなたのお住まいのトイレの室温は、何℃程度でしょうか。

温度計が近くにある方は是非測定してみてください。

外気温との差から、建物の断熱水準が推測できます。

上のグラフは鹿児島の冬1月の平均気温の日、暖房を設置しない1階水廻り便所室温の変化を平成11年基準・平成4年基準・昭和55年基準、断熱水準別に示しています。

鹿児島の外気(ブルーのライン)、1月最低気温の平均は4.5℃、最高気温の平均は12℃です。室温・内壁面の温度は、住宅の断熱水準で変化します。

水回り、トイレの室温は、何℃でしたか。また、寒い朝、トイレ水廻りの室温は何℃程度でしょう。

この室温で現在のお住まいの断熱水準が推定できます。

現在、新築住宅の多くが、赤のライン前後平成11年基準程度で建てられていますが、リフォームの対象になる既存の住宅・古民家の現状は、残念ながら、昭和55年基準以下、あるいは無断熱の住宅が大半なんです。

断熱水準が低いと、室温が同じでも、壁面の表面温度が低くなり、体感温度が低くなります。同じ体感温度にするためには、室温を上げなければなりません。

参照:自立循環型住宅の設計ガイドライン

室温を上げると、湿度が下がります。冬、インフルエンザ等の予防のために、湿度を40%~60%に保ちたいですよね。

その湿度にするための空気中の水分量(絶対湿度)が、断熱水準が低い家の方が高くなり、結露しやすい環境になります。

さらに、断熱水準の低い家は、温かい部屋と寒い部屋の温度差が大きいです。

下図は、新築を検討しているお客様に測定させて頂いた、築20年、木造賃貸アパート、リビングLV・トイレWC・外部EXの温度℃湿度%のデータです。容積絶対湿度g/㎥は、測定値をもとにした計算値です。 鹿児島としてはとても寒い、年数回ある0℃を下回る日でした。

湿気、水蒸気は、温かいリビングから、温度の低いトイレ、寝室、閉じられた和室へ移動します。

温度の低い部屋の窓廻り、タンスの裏、押入で結露が起こることになります。

また、断熱水準の低い家では、壁面、サッシ面で室内空気が冷やされ、冷たい空気が床へ降りてきます。室内の上下で温度差が発生して、足元に冷たい微風を感じ、寒く感じます。

体感温度を上げるために、室温をさらに上げることになります。

参照:自立循環型住宅の設計ガイドライン

このような理由で、断熱水準の低い家では、室温を25℃以上にしないと寒いと感じます。空調機の設定温度が26℃以上、28℃という家が多いと思います。

断熱水準が低い事でいろんなことが起きていますね。理屈は知らなくても、多くの人が体感していることです。

薩摩じねん派では、断熱水準が確保されている家では、室温20℃程度で寒さを感じないと考えています。もちろん、個人差はあります。

この話をすると、断熱水準が低い家で空調機等の設定温度を26℃程度で生活している方は、「20℃?、寒いでしょ。」とおっしゃいます。

同じ室温20℃でも、断熱水準でその体感は全く違うんです。

ご相談ください。断熱水準を確保して20℃でも寒くない家をご案内します。

「部品交換型」のリフォームで、キッチン、浴室などを綺麗にしても、断熱水準が低いと、暑さ寒さは改善しません。

寒さだけでなく、結露等の様々な問題が起こり、安全で長持ちする住宅にはなりません。

もう少し踏み込んだ話をすると、経験知識不足の中途半端な断熱を行うと、これまで起きなかった結露、漏水等の問題が起こることもあります。

何かを入れ替える、張り替える、塗り替えるといった「部品交換型」のリフォームは、ちょっとした知識と職人さえいればできます。

でも、本質を改善し、暮らしの質を向上させるような「本質改善型」リフォームは高いレベルの知識と経験がなければできません。

さらに言えば、新築するよりも高い技術力が必要になります。新築よりも応用力や問題解決能力、提案の幅広い引き出しが求められるからです。

先にも書いたように、薩摩じねん派は、コアリノベーション研究会(主宰:野池政宏氏)に所属し、安全で快適に長く住まうためのリフォームに本気で取り組んでいます。

必要な知識と技術を研鑚するため、2か月に1度大阪で開かれる研究会に参加し、工務店や設計事務所とそれぞれの立場を生かして事例検討、意見交換を行なっています。

コアリノベーション研究会 Homepageを覗いて頂くと嬉しいです。

蒲生の古民家、セルロースファイバー20㎝の下地です。

薩摩じねん派(元 建築工房 自然木) 村田です。 

新築だけでなく、リフォーム・古民家再生のご相談、ご質問も、お気軽にご連絡ください。

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