大学病院特別室の温熱環境 このグレードで充分では?
昨日から鹿児島大学病院に滞在している、薩摩じねん派 村田 です。
病院側の事務手続きに手違いがあって、こんな部屋で過ごさせて頂いています。
海外に行くときには、当然エコノミークラスを使うのですが、これまでに、航空会社側の手違いで、エコノミーチケットでビジネス、ファーストクラスにそれぞれ1回づつ搭乗したことがあります。
今回もそんな感じの待遇で、大学病院の特別室、一番グレードの高い病室に滞在しています。ラッキーでしょ。
せっかくなので、温熱環境の調査を行ってみました。
それにしても、東・南面はすべて窓。明るくて、しかも、庇がしっかりデザインされているので直射日光も入ってきません。窓を開けていても、視線を感じない平面計画になっているので、開放的な部屋は気持ち良いです。
作業机も付いています。いつもの仕事場よりも環境が良くて、錦江湾に浮かぶ桜島も見えます。
朝一、1階にあるコンビニへコーヒーを買いに行きました。まだ、スタッフ・患者さんのいない病院は静かです。しっかり空調管理も出来ていて、下着とパジャマ1枚ですが寒くありません。室温23℃、湿度は30%。すこし、乾燥しています。
まだ誰もいないMRI・CT検査コーナー。
病院の最も奥まったスペースです。どの仕上げ面の表面温度も温度差がなく、暑い寒いといったストレスがまったく無い空間が出来ています。
病室へ帰って、赤外線カメラで撮影してみると、壁・天井・床ともに23℃程度。病室に設置してある温湿度計の気温は23℃です。
スポット6サッシ部、ガラス面の温度が21℃程度。サッシより下部の外壁面が22℃になっています。サッシ面で温度が下がった空気が下降して、壁面温度を下げていると考えられます。
窓際の作業机に座っていると、多少、ガラス面の輻射熱(冷気)を感じますが、私は、この程度の気温差は不快な冷気とは、感じません。今、この環境でブログを書いています。日中のこの程度のバラツキは、私には、不快ではなく、むしろ心地よさに感じられます。
サッシは、12ミリAir程度のペアガラス、アルミサッシです。樹脂サッシ、樹脂アルミの複合サッシではありません。
RC造ですから、気密は確保されています。
夜、温度が下がっても、厚手のカーテンが付いているので、これを閉めると、まったく冷気を感じることはありません。
鹿児島でも、寒い日はあります。年に数回、0℃を下回る日があります。そのような日は、アルミサッシは結露します。
現在、薩摩じねん派で新築・リフォームを行う時に使うサッシは、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシをミックスで使うことが多いですが、これまで作ってきた住宅では、多くの住宅で12Aのペアガラス入りのアルミサッシを使っていました。
これまでの経験から、年数回ある0℃近く気温が下がった日に、アルミサッシは結露します。その程度は、窓全面、サッシ枠全面が結露して、窓枠まで濡らすような結露ではありません。朝、結露水をふき取れば問題ない程度です。
アルミサッシの家でも、年数回あるこのように寒い日にも、結露しない家もあります。
湿度が低い家です。気密・断熱性能を上げて、しかも、無垢板、和紙、左官壁等の自然素材を使った家は、冬、乾燥する傾向があります。
加湿しないと30%を下回ります。そのような状況では、0℃近くまで気温が下がっても、アルミサッシでも結露しません。ただ、このような環境で暮らすことは、健康的でありません。
冬、インフルエンザ等への対応を考えると40~60%が、適切な湿度です。
この環境で、結露を発生させないために、樹脂サッシ、複合サッシを使っています。もちろん、断熱性能の良い家を建てれば、消費エネルギーを抑えることに貢献出来ますし、電気・ガス代も安く抑えられます。
このブログを続けて読んでいる方は、ご存知ですが、今、薩摩じねん派 村田 は、コストを意識した民家改修を検討しています。
このコストを意識した断熱改修を必要としている人が、多くいらっしゃると思っています。
今回書いた、このような状況から、サッシ部分の改修については、通常、断熱改修で考えるサッシの付け替え、内窓の設置ではなく、ガラス部分の断熱性能のみをアップする方法を検討しています。低コストで、12Aペアガラスの断熱性能を確保する方法が見えて来ました。
もちろん、床・壁等の性能アップ、気密の確保も対応します。
その方法で、改修する物件の設計検討が複数始まりました。今後、施工状況等ご紹介しようと思います。