住宅の省エネで消費エネルギー 50%削減は可能か!? 

先日の1985全国省エネミーティング、3部の後半で、行政・環境団体との連携で進める1985アクションの意味と、実際の住宅改修でどこまで省エネが可能かと言うことの具体例をお話させていただきました。

いつものことですが、伝えたいことがたくさんあって、時間が足りませんでした。薩摩じねん派 村田です。

実際に丁寧な住宅改修を行うことで、我慢することなく、楽しみながら賢く生活することで、どこまで省エネが可能か。50%の消費エネルギーの削減は、可能です。その生活の様子と省エネのレベルが時間不足で、うまく伝えられませんでした。

このブログを読んでいる方は、「吹上永吉の古民家」での生活の様子は、御存知だと思います。電気・ガスエネルギーの使用状況について、このブログでも、あまり具体的な数量については、触れていませんね。

「吹上永吉の古民家リノベーション」築150年の古民家の断熱も含めた改修です。この古民家は、1985アクションの「1985家族」を達成しています。

鹿児島市1911年頃の3人世帯の平均的エネルギー消費量62,967MJ、その1/2より少ないエネルギーで生活できています。

太陽光パネルも設置していますが、その売電分のエネルギーをカウントしなくても、「現在の実績」実際に使っているエネルギー量が、29,236MJ。3人世帯の平均消費量の1/2より少ないです。売電分をカウントするとこの住宅で外部から買っているエネルギーは、標準家庭の1%程度。ほとんど、発電分のエネルギーで生活されています。

この古民家は、定年を向かえた60代のご夫婦と車椅子を利用されている80代の奥様のお母様、3人で住んでいらっしゃいます。週末は、独立している子供さん家族も遊びにきます。

ニワトリ、チャボ、ヤギが放し飼いにされています。
草取りは、ニワトリとヤギの仕事です。

川沿いに建つこの敷地には、心地よい風がいつも吹いています。写真にあるようにヨシズ等で日除けをして、窓面に直射日光を当てない工夫を徹底して行うことで、夏もほとんどクーラーを使うこと無く、生活されています。

冬は、薪ストーブのみで、34坪の母屋全体を暖めます。下のグラフは、今年の2月、外気温が0℃~20℃程度、最低気温の平均が4℃程度の時の室温です。

グラフの上部が、湿度のグラフ。下部が室温のグラフです。

1階リビングダイニング、2階予備室、1階水廻りが、15℃~20℃、各部屋間の室温差が最大2℃程度の環境を確保できています。

母屋の脇には、29坪2階建の離れがあります。

離れ1階の土間は、毎週ご近所の方々が集まって、編み物教室が開かれたり、味噌作り、餅つきなどが行われます。ここで、子供家族と卓球をすることもあります。

車椅子利用のお母さんも卓球、編み物に参加します。

この土間の暖房は、簡易薪ストーブを使っています。この土間は、板1枚の仕上げで、断熱はありません。

離れの2階は、独立している子供達やお友達が遊びに来たときに使う部屋です。

ここも、内部の仕上げはありますが、断熱材はいれてありません。この部屋は、必要なときには、空調機を使います。

この離れは、気密を確保していないので、囲炉裏も使うことが出来るんです。

「吹上永吉の古民家」母屋34坪、離れ29坪、合計63坪の家です。この古民家を舞台に、定年後の田舎生活を楽しんでいらっしゃいます。63坪の古民家で、生活を楽しまれて「1985家族」を達成しています。

消費エネルギー3人世帯平均の1/2、太陽光分を換算すると、消費エネルギーはほとんど無し。標準家庭の1%で生活できるんです。

今回の省エネミーティングで紹介した「1985アクション」。

2030年までに、すべての住宅を、賢く・楽しく生活を楽しむ「1985家族」にしようという活動です。

薩摩じねん派は、今後も行政・環境団体と連携しながら、「1985アクション」を進めていきます。

吹上永吉の古民家   http://jinenmoku.com/example/pg540.html