<ひらやパッシブ> 配置・軒の出の検討2

5月7日のブログの続きです。
前回、南面が22.5度振れていることが結構、夏の日射遮蔽に影響することを書きました。その対応として、建物の配置を南面が真南に向くように振ることで解決する方針で検討を進めて見ました。
 
22.5度振ると、北西の角の空地が大きく空きすぎました。
真南から振れを11.2度まで、南面を回転しました。
ヨシズ、スダレも併用することにしました。
 
回転したことで、ヨシズ、スダレの設置が必要となる日数が減ります。
また、回転して生まれる北西の空地は、外部からも出入り出来る、玄関収納前のスペースで、自転車置き場、サービスヤード等として使える場所だと思います。
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先日のスケッチアップと比べて頂くと解りますが、東側の主寝室(和室)の開口を1間半に広げました。南東の角には、夏、早朝の東からの日射を防ぐための袖壁を設けています。
 
東からの日射は、完璧に止めているのですが、上のスケッチアップの庇、ヨシズ等の設えでは、夕方、西側からの日射が防ぎきれていません。
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9/15 16:00 の日射日影の状況です。
1,350の軒の出と900のスダレが設置してあっても、リビングに日射が入りこんでいます。暑さの厳しい8月中は、太陽高度が高いので入りこまないのですが、9月に入ると、3時ごろからの日射侵入が気になります。
 
玄関ポーチからウッドデッキへのアプローチ部分に、土間から自立する柱を設置して
ヨシズ、或いは、タープで作る袖壁を提案しようと思います。
夏の間は常設にしても良いのですが、午後、日が傾き始めるころ、タープを張ると、日射を防ぐ機能と、海側から吹いてくる風をリビングへ導くウインドキャッチャーとしても機能しそうです。
 
夕方、西側から入りこむ日射の面積は、1㎡程度。
「そこまで、徹底してやらなくても、そこそこで良いんじゃない。」
そう思う人も多いと思います。日射を甘く見てはいけません。
この1㎡の日射でリビングへ入りこむ熱エネルギーは、
普通の電気ストーブ1台分以上。
まだ、涼しく過ごしたいこの時期に、夕方、電気ストーブが1台、窓先に1台ぶら下げてあるのと同じなんです。
 
パッシブデザインは、
太陽光、太陽熱、風等の要素を注意深く解析して、
その設えを丁寧に検討していくことで、実現する設計手法です。