吹上永吉 「セルフで進める古民家改修」を楽しむ 1

暖冬といっても最近、寒い日が続いたり、暖かい日もあったり、健康管理が大変ですね。薩摩じねん派 村田です。

写真は、Forward to 1985 energy life のHomepage、1985 family の記事で紹介頂いた小水力発電所の取水口です。「吹上永吉の古民家」の建つ、永吉川の河口から2キロ程上流にある小さな滝、その上部にあります。

取水口のネットの脇に小さな流木等がまとめられているのが見えますが、ネットに溜まるゴミを毎日、人の手で取り除いているそうです。その取り除き作業を行っているのは、Iターンで永吉に住み始めた方です。

小水力発電の取水口の対岸は、昔から、下流に広がる水田で利用される農業用水の取水口があり、今でも使われています。生活を支える水の取り入れ口には、小さな祠(写真右下)も祭ってあります。 梅も咲き始め、ほのかな良い香りがしていました。

永吉川には、この他にも川の落差を利用した取水口が数箇所あり、永吉の集落の中を流れています。この用水を利用するために、これまで定期的なメンテナンスが集落単位で行われてきたと思われます。

鹿児島市から丘陵地を越えて永吉の集落へ入っていく時に広がる、水の流れとその利用の形から出来上がった集落の景観。いつも美しいなと思いながら、車を走らせています。

永吉地域は歴史的にもいろんなものが残っています。上流部の丘陵地には、縄文時代から弥生時代まで人の暮らした痕跡の残る黒川洞穴があります。私は神を信じませんが、この周辺はスピリチュアルな力を感じる場所です。  ( google 360°ビュー )  

永吉川の河口には、古代からの伝説の残る久多島神社、その沖合い10キロに、吹上浜の砂丘から久多島が望めます。

永吉の景観構造は、ランドスケープと表現したくなるスケール感、独自性を持ったとても豊かな魅力を持っています。

私と同じように永吉に魅力を感じる人も多く、Iターンで永吉に住み始め、永吉を元気でさらに魅力のある場所にしたいと動き始めている人が多くいます。まさに、村を支えるコミュニティと言うべき、ネットワークが出来つつあります。

永吉に住み始める多くの人は、古民家の空き家等に住みながら、これからの永吉集落のキーマンになりつつあります。

彼らの住む古民家も、このブログで紹介している「吹上永吉の古民家」のように、予算を掛けて改修できれば良いのですが、多くの人たちが若く、しっかりとした改修が行えずに、寒い古民家で、暮らしています。自分なりの方法で自力で断熱的なことを行っている人もいますが、やはり、満足できる体感レベルにいたっていません。

私は、「吹上永吉の古民家」の改修工事を切っ掛けに永吉に通い始め、その魅力を強く感じ、今でも、時々通っています。そして、断熱改修について、多少の知識はあります。

永吉に住み始め、永吉を魅力ある集落にして行こうと言う意欲をもっている人たちと、グループで進めるセルフ施工を基本としたネットワークを作る準備を始めました。

現在、仕事として進めている新築や改修で行う「しっかりとした断熱」と、セルフ施行を基本とする断熱改修は考え方を変える必要があります。予算を極力抑え、永吉に住み始めた人たちが協力して進める断熱改修、しかも効果が実感できる断熱は、断熱計画の考え方が「しっかり断熱」とは異なります。

通常、基本とする、建物全体の性能値、Ua値やQ値で考えるのではなく、床、壁、天井といった部位のU値、表面温度の目標を設定して、検討を進めます。

薩摩じねん派が通常の業務で行う「しっかり断熱」では、できるだけ、空調機を使わないで済むような断熱性能を目指しますが、コストを抑えた「セルフ施工の断熱」は、残念ながら、そこまでの断熱性能は確保出来ません。空調機を使うのが前提で、その上で、寒さを感じない環境を目指します。効果をしっかり感じることのできる断熱改修です。

2月16日(日曜)10:00 ~ 12:00

会場: 吹上永吉の古民家

今回の取り組みの最初の顔合わせ、意見交換会を行います。

要予約  http://jinenmoku.com/contact.html

この活動は、現在、薩摩じねん派が取り組む1985アクションの一環であり、SDGsのコンセプトに基づいた活動です。

また、今回の取り組みは、永吉川上流で小水力発電、地域電力に取り組んでいる太陽ガスと協力しながら進めていきます。

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