夏のパッシブデザイン その実力は!

昨日のblogで紹介した夏のパッシブデザイン。もう少し詳細を紹介させてください。薩摩じねん派 村田です。

SketchUp 夏の日射遮蔽 冬の日射取得 の検討

「姶良平松の家」真冬の見学会で紹介しましたね。今回は、夏のパッシブデザインを紹介します。

この家も設計時、スケッチアップで日照・日射を検討し、夏、窓面には直射日光は当たりません。

写真に設置してあるヨシズが無くても、屋根・ひさしだけで直射日光は窓面には、あたりません。

それでは何故、ヨシズを設置し、掃き出しのガラリ雨戸を日中閉めるのか。

昨日のblogでもご説明しましたが、夏、窓開口から入ってくる熱は、直射日光の熱だけでは無いんです。

空の明るさ、天空日射にも熱が含まれます。

しかも今の時期、室内に侵入してくる熱量としては、直達日射と天空日射がほぼ同じ熱量なんです。

それで、多少暗くなりますが、ガラリ雨戸まで閉めます。

    

ここでは、天空日射だけでなく、ヨシズフレームを設けることで、ウッドデッキにも陽が当たらなくなり、暖められたウッドデッキからの輻射熱がカットされます。

これだけの対応をすると、室内の温度は、空調機なしで、どのような状況になるでしょう?

外気温・1Fリビング・1F洗面脱衣室の温度・湿度を、15分間隔のデータロガーで測定させて頂きました。下のグラフです。

2016.07.25~ 07.26 「姶良平松の家」温湿度  外部気温・リビング・洗面脱衣室
空調機なし

両日とも外気温が35℃を超える猛暑日でした。

北西からの卓越風(川風)のふくこの敷地では、明け方の最低気温は、23℃程度まで下がっています。

この土地特有の気候を利用して、夜間から早朝にかけ、ルーバー雨戸から排熱を行い、室温を下げます。

気温の上がり始める7時頃からは、窓を閉め、徹底した日射熱の遮蔽を行い、室温の上昇を抑えます。

そこまでやると、エアコンを使わなくても、最高室温は30℃程度。

エアコンの嫌いなご夫婦は、昼過ぎに少し扇風機を回すだけで、心地よく過ごせたそうです。

「30℃暑いんじゃない?」と言う方もいらしゃると思います。

これまでの一般的な住宅の室温30℃暑いですよね。

外壁、屋根の断熱をしっかり確保してある部屋の30℃は、これまでの30℃とは違うんです。

エアコンで室温を28℃程度まで下げた部屋は、気温は28℃ですが、壁・天井の表面温度が高いんです。32℃程度になっていることもよくあります。また、クーラーの設定温度28℃を気温28℃と思っていらっしゃる方、いらっしゃいませんか。

人間の体感温度というのは、おおよそ室温と壁・天井等からの輻射熱の温度の平均です。

エアコンで28℃まで冷やした部屋と、この30℃は、同じ体感温度、いや、扇風機も回していますから、それより涼しく感じていらっしゃったはずです。

最近の薩摩じねん派がつくる家で、室温30℃。

空調機を出来るだけ使いたくない方は、室温30℃ではエアコンを使っていらっしゃいません。

これが、31℃ 32℃となると、僅か 1、2℃の差ですが、空調機が欲しいと感じます。この1,2℃をいろんな工夫で下げる。下げられる。

これが、パッシブデザインの面白さです。

薩摩じねん派の家づくりは、空調機を使わないことを強いるものではありません。暑いと感じるときは、空調機を使うべきです。

ここまでの環境が確保されていれば、空調機を使用する場合も、エアコンを使うエネルギー、電気代は抑えられたものになります。

「姶良平松の家」で空調機なしにこだわった理由は他にもありました。そのあたりの話は、薩摩じねん派HP Story3 を読んで頂くと嬉しいです。

このパッシブデザイン「姶良平松の家」は「かごしま木造住宅コンテスト2017」で、知事賞を受賞しました。

薩摩じねん派は、今週末、7/27 7/28 「山田の家」SW完成見学会を開催します。

実際完成した住宅で、パッシブデザインのお話、土地探しや資金計画等のお話をお聞かせください。それぞれのスペシャリストが対応します。お気軽に起こしください。

「お住まいにある悩み」 お客様の住まい作りが幸せな家づくり、納得出来る家づくりになる様に、色々な情報動画をアップしています。

薩摩じねん派Homepage お客様と一緒につくった納得の家づくりのご紹介。

     

今回も長いブログになってしまいました。

最後まで読んでいただき有り難うございます。

私の書くブログは、いつも長くなってしまいます。薩摩じねん派 村田です。

皆さんに、出来上がる住まいに納得し、

「この家に住んで幸せだな。」と満足いただける家。

そんな家づくりを進めたくて、ブログを書いています。

今後とも宜しくお願いします。

PS. 昨日のブログ「松陽台モデルのパッシブデザイン」もパッシブデザインの面白さを感じるブログだと思います。読んでいただけると、嬉しいです。