松陽台モデルのパッシブデザイン
いよいよ夏本番の暑さが始まりましたね。薩摩じねん派 村田です。
上の写真は、その地点の季節で変化する太陽位置を正確に示してくれる Sun Seeker で撮った丸久建設 松陽台モデルハウスの写真です。1階掃き出し窓の一番低いポイント、ガラス面で撮りました。
このモデルハウスは、1F、2Fともに、南側に大きな開口を取り、光・熱・風を利用しようというパッシブデザインの断面構成をしています。「こんな南側に大きな開口を取って、夏は暑くて大変なことになるんじゃないの?」とおっしゃる方もいます。Sun Seeker の写真を見てください。太陽は、軒先の裏に隠れて見えません。本日の太陽軌跡は、屋根・軒の裏側、黄色い↑の先に本日 9:55 の太陽はあります。
建物をほぼ真南へ向けて、検討した軒長さを持っている松陽台モデルの南開口部のガラス面には、3月21日から9月21日まで、直射日光が当たらないということがわかります。窓面に太陽光を当てたくない時期には、日を当てません。
9月21日以降少しずつ日が伸びてきて、お日様の暖かさの欲しい時期・冬には、部屋の奥まで日が入ります。このような、確実な直射日光のカットとお日様の暖かさの利用。それぞれの敷地に、その相反する条件をバランスする庇の長さがあるんです。
実際の設計時には、Google SketchUp というソフトを使って、この日の入り方を検討チェックしています。その内容の紹介が下のブログです。
日射遮蔽の話 「十分な軒の出をとって真南を向ける。」 https://jinenmoku.com/blog/posts/596
もう一つ、気をつけたい話があります。日射遮蔽の話をするとき、この直射日光(直達日射)にだけ、注意がいきがちですが、実は、日射光だけでなく、空の明るさ(天空日射)の中にも、熱エネルギーがあって、今の時期、室内に入ってくる熱エネルギーとしては、この天空日射と直達日射は、ほぼ同じぐらいなんです。日のあたらない窓にも、スダレやカーテンを掛けて、部屋を少し暗くして過ごしたほうが、涼しく、暮らせるんです。
このようなことを検討デザインする、これがパッシブデザインです。
今週末、完成見学会です。実際完成した住宅を訪ねて、パッシブデザインのお話をしませんか。お気軽に起こしください。