伊敷の古民家パッシブりのべ 「風の道」の通る古民家改修
おはようございます。薩摩じねん派 村田 です。
昨日から、今週末見学会を行う「伊敷の古民家パッシブりのべ」の紹介していますが、この住宅には、お伝えしたい話がたくさんあるんです。
「伊敷の古民家パッシブりのべ」、実は、私の両親の住む実家のお隣さんです。こちらに住むお母様は、現在でも、毎日お互いの家を行き来している私の母の「茶のみ友達」です。この住宅は、私が幼いころから暮らす実家廻りの懐かしい町並みの中に建っています。
この集落の様子は、以前も紹介しましたが、20年程前、東京から鹿児島へ帰って来た頃、南日本新聞のコラム「思うこと」に書いています。
「風の道」私が幼い頃から感じていた、この場所の素晴らしい環境と共存する住まいにすることがこの設計のテーマになりました。
(矢印をクリックするとアニメ-ションが動きます。)
基本計画の時、陽の入り方、通風の確保の検討用に作ったSketchUpの動画です。内部から見た、外部の庭とのつながり方等、見て頂くと嬉しいです。屋根形状が多少変わりましたが、実際の出来上がりと窓開口等の内容は殆ど変わっていません。
住宅を通りぬける「風の道」を感じて頂けたでしょうか。
現在の気密・断熱を一番に考える設計者が見ると、「こんなに窓開口が必要なの?」と頭をかしげる人もいるでしょう。その考え方も理解します。
ただ、私の育った集落の路地、町並みの空間、そこを吹く風の心地良さを考えた時に、この「風の道」を通すこと、外部空間とのつながりは、絶対だと思いました。幼なじみの施主とのヒアリング・打合せでも、その考えは一致しました。
開口部をこれだけ取る訳ですから、サッシ性能も求められますし、さらに補助部材のハニカムサーモスクリーンや、逆に利用するための、電動の外付けブラインドシャッター、スリットシャッター、ガラリ通風雨戸、電動のハイサイドライト、ガラスの庇など、この素晴らしい環境と共存するための仕掛け、設備がふんだんに使われています。
屋根上には、太陽光パネルだけでなく、太陽熱温水パネルを設置した太陽熱温水給湯システムも設けました。もちろん、この住宅は、ゼロエネルギー住宅です。
台所のコンロはガスを使っています。しかも、これまでお母様の使い慣れたシンプルな2口のコンロです。電気を使用するIHコンロではありません。
薩摩じねん派は、オール電化を薦めていません。オール電化の家を作らない訳ではありません。ご希望されるご家族へは、オール電化の住宅も供給してきました。ただ、「オール電化を採用する意味」について、ご説明して、どのエネルギーを選択するか考えて頂いています。
オール電化を選択する事は、夜間運転を止めて出力調整をすることの出来ない原子力発電の設置可能な発電所数を支えること、原子力発電を薦めるという意味があります。
また、以前言われていたIHヒーターの電磁派の健康問題は、現在販売されているコンロでは、ほとんど問題の無いレベルまで改善されている事もお伝えしています。
さらに、「伊敷の古民家パッシブりのべ」の使用する電力は、現在切り替え準備中ですが、日置地区を中心に一緒に活動している「太陽ガスの地域電力」になります。
このような新築・リフォーム工事を進めていますが、このコンセプトは、現在、薩摩じねん派が取り組む1985アクションの一環であり、SDGsのコンセプトに基づいた活動です。
今後も、永吉川上流で小水力発電、地域電力に取り組んでいる太陽ガスとも協力しながら、地域の環境活動、省エネの推進に努めていきます。
「伊敷の古民家パッシブりのべ」は、新築を含めた、薩摩じねん派が取り組む住宅の中でも、パッシブデザインにもっとも徹底して取り組んだ住宅の一つです。リノベの事例としてだけでなく、新築を検討されている方にも参考になる見学会です。竣工して2年、経年変化も見所だとおもいます。
今回の会場は、現在、お住まい中の住宅です。要予約でお願いします。
お手数ですが、HPの「お問い合わせ・資料請求」からご予約をお願いします。
もう一つ、「私の実家 両親の家改修」のご紹介もします。
伊敷 私の実家 セルフ施工仕様の断熱リフォーム
下記のブログは、昨日も紹介した完成見学会の時のものです。内部写真等がご覧になれます。