こんな廃墟、使う意味あるの?
今週、1985アクション九州山口ネットワークの方々をご案内する「吹上永吉の古民家リノベ-ション」改修前の様子です。
「使う部分の軸組がしっかりしていれば、使う意味はあります。改修された住宅を是非見てください。ご案内します。」 薩摩じねん派 村田です。
工事に入ると多くの人が、「こんなボロ屋、使う意味があるの。建て替えた方がいい家が出来るんじゃないの。」そんな声をかけられました。
確かに、外観はボロ屋ですが、内部の骨組みを調査してみると、シロアリの被害もほとんど無く、骨太のユスの木の軸組で、今作ろうとしても材料が集まらないような軸組だったんです。
さらに、改修してここに住むクライアント様が、集落の景観上重要なこの建物を解体するのは、これからお世話になる集落の方々に申し訳ないとの想いがありました。景観として残す方向で、改修する事になりました。
蒲生の古民家改修も骨太の軸組、コマイ、土壁の伝統技術を踏襲して改修しました。
「蒲生の古民家」の蔵の改修、先日のブログで改修前の状況をご紹介しましたが、ここも、もうしばらく頬って置くと崩れ始める状況でした。
下の写真は、「蒲生の古民家」屋敷門の改修前の現況です。材質は、クスで出来ていますが、柱が傾き始め、門もいろんな部分が腐り始めていました。
この屋敷門は、調査実測、図面化して、一部ランマ廻りのみ元の材料を再利用。クスノキで再建しました。
蒲生の蔵の屋根には、景観に考慮して、外周から見えない部分に、太陽光パネルが設置してあります。
馬屋を利用した車庫の上には、通りから見えない形で、太陽熱パネルが設置され、蒲生の古民家も歴史的町並みの景観を考慮したパッシブデザインゼロエネ住宅です。
先人から伝えられた伝統的町並みに、誇りとプライドを持って住み次ぐクライアント様の気持ちがあって実現した古民家改修です。
鹿児島には、このような住宅がまだ多く残っています。まだ、多くの古民家が再生出来ます。手をかける前に、是非一度、見せていただけると嬉しいです。
新築では、絶対につくれない風土に根ざした真実味のある住まいが出来ます。
是非一度、ご相談ください。 薩摩じねん派 村田です。